平成22年2月22日
母が倒れて入院した。
その時は、ただただ慌てていて、
良くは覚えていない。
ただ毎日、夢中で、
ひたすら恵比寿と蕨を往復した、
懐かしい日々。
今も思い出すのは、
具体的な日々の出来事ではなく、
母の姿。
寝返りも打てず、ものも言えず、
横たわっている母の姿に、
胸が締め付けられるような
愛おしさを感じた。
そんな母が待っていてくれると思うと、
雨の日も、酷暑の夏も、寒い冬も、
足は勝手に動いた、埼京線の駅に向かって。
今、自粛生活を送りながら、思う、
家族に会いたくても、
ままならない人のことを。
触れ合うことのありがたさを
しみじみ思うこの頃。
(2021年2月4日)
(訳者)