寝たきりで、ものも言えない母を
毎日見舞っていた頃の12月、
クリスマスイブから三日連続して
母にご聖体を授けたことがあった。
私は母に、こんなに頻繁にご聖体を
頂いたこと、元気な頃もなかったでしょ?
と話しかけた。
すると、「よくやって、てるこ・・・」
と母から答えが返ってきた。
私は驚きと嬉しさのあまり、
声を上げて泣いた。
倒れて3年余、もの言えぬ母が
初めてかけてくれたねぎらいの言葉。
それは、最初で最後の言葉だった。
その後の3年間、
私はその奇跡の言葉を
宝物のように胸におさめて、
毎日母を見舞った。
人生最高のクリスマスギフトに
今も感謝と畏敬の思いは消えない。
(2021年2月22日)
(訳者)