翻訳者のブログ

著者雑感 ~復活への希望~

私は、苦しい時、苦しむ人を想う時、サレジオ会の尻枝正行神父さまの書かれた言葉を思い出す。
1997年(平成9年)6月のニュースレター「湯沢台の聖母」に寄稿された言葉だ。
四旬節に入った今、ここに分かち合いたい、復活への希望を抱いて。
(2021年3月5日 訳者)

・・・「フィリポの教会への手紙」の中でパウロは、「あなたたちはキリストのためにただ彼を信じることだけではなく、彼のために苦しむということを恵みとして与えられている」(1.29)と言っています。苦しみは賜物として与えられるものなのです。ですから、無益な楽しみはあっても、無駄な苦しみは一つもないのです。・・・「キリストの苦しみのまだ足りないところを補うために」(コロサイ1.24)神がお選びにな った霊魂には特別大きな苦しみが増し加えられるのですね。これこそ十字架の敗北のみが復活の栄光の勝利に導く、というキリストの神秘の偉大さなのです。・・・