翻訳者のブログ

著者雑感 ~禍福は糾える縄の如し~

勤めていた頃、数年間
パワハラ、セクハラを受け、
リストラ解雇されて、
心身ともに傷ついていた時に、
母が掛けてくれた言葉。

「禍福は糾える縄の如し」よ、
そんなに心を痛めないで。

それから20数年、
母を見送った後、不思議と
私の心の病は消失した。
母が持って行ってくれたと思った。
そして、「禍」すらも「恵み」に変える
不思議な力があることを知った。

身体の病は、加齢もあるから、
それには抗えないけれど、
だから、受け入れるしかないけれど、
もしかしたら、感謝して受け入れることで、
癒えることがあるのかもしれない。

病のお陰で、
見える景色が変わることがある。
元気な時に見えなかったことが、
若い時に見えなかったことが、
病と共に、加齢と共に、
見えるようになることがある。

「老いるとは、もっと近くから神を見ることだ」
ということわざを思い出す。
病むということも、神をもっと近くから
見せてくれるのかもしれない。

「禍福は糾える縄の如し」
(2021年3月27日)

(訳者)