翻訳者のブログ

著者雑感 ~手放すこと~

長いこと寝たきりだった母を見送って
4年以上経つのに、節目節目に母を思い出す。

そんな私に、アメリカのある友人から
詩が送られてきた。
読んでいて、懐かしい想いがした。

とても美しい詩なので、ご紹介したい。
Facebookに投稿されていたそうだ。
原文の美しさには、とても及ばないが、
日本語に訳してみた。(2021年 母の日)

(訳者)

手放すこと

天使たちが、あなたのベッドのそばにいた、
あなたに寄り添うように。
彼らは、あなたの痛みと苦しみを知っていたから。

あなたの手をしっかりと握りしめながら、
いろいろな想いが蘇っていた。
どれほど願ったことか、あなたがもう一度
元気に、幸せになることを。

でも、あなたの目は故郷を見つめていた、
空の向こうの、あの場所を。
イエスさまが両手を広げておられる場所を。
さよならの時が来たのだ。

私は自分の身勝手さと闘っていた、
あなたに、まだそばにいてほしかったから。
もう一度、いっしょに歩き、話したかった、
以前に、そうしたように。

でも、イエスさまは、わかっておられた。
私にもわかっていた、
イエスさまがあなたをこよなく愛しておられたことを。

だから、私は人生最大のギフトを
あなたに贈った、
手放すというギフトを。

これから、私は思い出を胸に刻もう、
あなたがくれた愛の思い出を
天国で、また会う日まで、
そこは、未だ知れぬ最高の場所。