年を重ねて、振り返ると、巡り合わせの不思議を思う。
大学3年の時、就職活動をする矢先、郷里の桐生で母が足を骨折した。
その世話で就職活動ができなかったのだが、そのお陰で、卒業後1年間、
桐生の修道院(カトリック・フランシスコ会)で働くようになった。
その繋がりから、上京後、今の職場、つまり、六本木の本部修道院で
5年間働く機会をいただいた。
こんなところにいたらお嫁にいけないよと言われ、修道院の仕事を辞めて、
聖書の放蕩息子のごとく、20年近く、企業を転々としていた。
最後の外資系企業をリストラ解雇され、心身ともに不調を抱えていた時に、
声をかけてくださったのが、今の六本木本部修道院の神父さまだった。
20年前の事である。
以来、すっと、フランシスコ会のお世話になっている。
このコロナ禍も在宅で仕事をさせて頂いている。方向音痴の私は、
自分がどの方向に足を向けて寝ているのか分からないが、
六本木の修道院に足を向けていないことを願うばかり。
(2021年9月27日)
(訳者)