母を見送って
しばらくしてから、
断捨離なるものをした。
スッキリしたような気がする。
まだ、未整理の物がある。
でも、もう断捨離はしない。
物と一緒に、そこに宿っていた記憶まで
失ってしまうような気がするから。
今、一つひとつの物が愛おしい。
物にも魂が宿ることがあるのだ。
そう思えるのは、
齢を取ったしるしかもしれない。
いつかまた、使うかもしれないから
取っておくのではなく、
今も、愛おしみたいから
手元に置いておこう。
それは、また
記憶を辿るよすがでもあるから。
わたしと一緒に時を重ねてくれた
優しい物たち。
(2022年4月2日)