若いころ、
辛いとき、悲しいときに
話を聞いてくださる方がいた。
その方は、
リウマチを患っておられて
ご自分もお辛いはずなのに、
わたしの愚痴を
いつも聞いてくださった。
わたしは、辛いとき、悲しいとき
いそいそと
ティッシュの箱を抱えて
その方のところに行くのだった。
わたしはその方のことを
霊的吸い取り紙と呼んでいた。
泣ける場所があるって
なんとありがたいことか!
でも、齢をとって
あまり泣かなくなった。
いや、泣く必要がないくらい
恵まれているからだろう。
流す涙は
わが身のためでなくなった。
今度はわたしが
霊的吸い取り紙になりたい。
(2022年6月20日)