翻訳者のブログ

著者雑感 ~完結編を読んで~

敬愛するシスターが天に召され、そのシスターの魂は今どこかな~と思いつつ、完結編(フォールIII:魂の回復と内省の旅)を再び手に取りました。完結編は死者の国の物語だから。
帰天されたシスターの生前のお仕事は、まさに魂の回復だったように思います。
シスターは今さまよえる魂を導きながら、天に昇っておられるのではないかしら。

さて、フォールも、最初は怖々、魂の回復のヘルパーを始めます。どんなに怖かったでしょう!でも、そこにはいつも天使たちの導きがあります。
洪水で亡くなった男の人のシーンは、最近続いた西日本の豪雨災害を思い起こさせ、思わず祈りながら、読みました。
さまよえる魂たちのための祈りの言葉も教えられ、魂たちが神の恵み、光の恵みを注がれて、永遠の懐に抱かれていく様子が想像できます。
死者たちの国が、私たちの想像を超えて、生き生きしていること、霊は光だから、光に吸い寄せられていくこと、「その光の明るさの度合いによって、次元の異なる世界が開かれ、広がっていく」ことなど、死後の世界を垣間見させてもらえました。
死後の世界が光の世界であることは、薄々感じていましたが、この本を読んで、その思いを深くいたしました。

そして、これは読後感ではないのですが、近しい人が天に召されるたびに、しみじみ感じさせられることがあります。それは、存在の不思議です。
その人はもうそこにいないのに、存在感があるのです。遠くてなかなか会えなかった人が、天に召されてから、近くに感じる。不在ではない「存在」。
遍在と言ってもいいのかもしれない。心理学、存在論学を勉強してみたくなりました。もうちょっと体力があればね~

訳者