スピリチユアルなことと普段無縁な方でも、生きてきた中で、
何度か見えない世界に気持ちを向けたことがあると思います。
家族が亡くなった時、愛する人に先立たれた時、家族の一員だったペットを看取った時などです。
あの人、あの子にもう一度会いたいという切なる願いでいっぱいになります。
それは、肉体はなくなっても存在は消えてなくならないという証がほしくなるからです。
少年と天使たちは、そんな答えを求めた少年の3部作からなる物語です。
主人公のフォールは、私たちとなんら変わらない不安と怖れ、たくさんの疑問を抱えた少年です。
そんな彼が、神(摂理)や天使たちに、見えない世界のことを問いかけます。
その答えが、フォールの夢という形を取って、物語は進行していきます。
Ⅰでは、自分の内なる世界へ目を向け、たくさんの怖れや不安と格闘します。
Ⅱでは怖れながらも前進し、体外離脱を経験します。
Ⅲでは、ついに真の愛と喜びに包まれます。
その過程を私たち読者は、あたかも自分がフォールと共に経験しているように進んで行くのです。
何か特定の宗教的教義もちろんのこと、あまりにスピリチュアルすぎて、こちらが引いてしまう教えや言葉は、
一切出てきません。それどころか、物語の全てが平明でシンプルな言葉で、紡がれています。
だからこそ、本当に気付きを得た者でないと導き出せない言葉があり、その言葉には真理が宿っています。
それが読者の私たちにもひしひしと伝わってきて、魂の旅へ、ぐいぐいと引き込まれていくでしょう。
実際私の本は、読み進めていくうち付箋だらけになり、ページを閉じては、
普段疑問に思ってそのままになっていた様々な出来事を思い起こしては、
「そうか!これは、あの時のことだったのだ!」等と、頷きながら読んでいました。
読み終わった時には、見えない世界と見える世界が、実は背中合わせにあることを実感するはずです。
私たちは誰もが、自分の中に霊を携えていることも、多くの方が腑に落ちることでしょう。
久しぶりに、夢中になって本を読みました。そしてこれからも、少年と天使たちをそばに置いて
時々開いては、魂の旅に出たいと思います。
大切なのは「誰が」物語を語っているかではなく、物語が「何を」語っているかですと言って、
決して本名を明らかにしなかった所にこの本の品格を、著者には大いなる愛を感じました。
深い感謝をこめて。
キキのテーブルさん(50代・女性)